⼼拍数とゲーム分析からみた⼤学⼥⼦アイスホッケーの競技特性（査読付）

トレーニング科学35(2):237-244, 2023.

本研究は，⼤学⼥⼦アイスホッケーの試合を対象として，ハートレイトモニターを⽤いた⼼拍数の収集とビデオ映像によるゲーム分析から，試合中の運動強度と運動特性を検討し，⼤学⼥⼦アイスホッケーの競技特性を明らかにすることを⽬的とした．公式戦 2 試合を分析した結果，選⼿は 2~3 分おきに 40~60 秒間，ピリオドあたり 7~９回出場し，ピークで 99.0±3.9%HRmax，平均で88.5±4.9%HRmax の運動をしていた．また，1 回出場あたりの全⼒滑⾛時間の⻑い選⼿ほど試合中の運動強度は⾼くなった．シュート回数は全⼒滑⾛回数および全⼒滑⾛時間と相関関係にあることから，攻撃局⾯での全⼒滑⾛増加が試合中のシュート回数獲得の要因である可能性が⽰唆された．これらの結果から，⼤学⼥⼦アイスホッケーは，⾼強度運動と完全休息を繰り返す⾼強度間⽋的運
動であると結論づけられ，無酸素性能⼒および有酸素性能⼒を向上させることが競技⼒向上において重要な要素である可能性が⽰唆された．

⽯井健⼈・温⽔鴻介・杉⽥正明

トレーニング科学35(2):237-244, 2023.