サッカーは 1 試合 90 分間断続的に動き続けるため,サッカーのパフォーマンスにおいて体力的要素は重要な要素の一つである.近年スポーツ現場では GPS(Global Positioning System)機器を用いた体力的負荷が測定されている.日本の女子サッカーは国際大会等で好成績を残しているにも関わらず,これらに関する研究や文献は見受けられない.本研究では,女子プロサッカー選手を対象に GPS 内蔵のハートレイトモニターを用いてゲーム中の運動強度,ランニングパフォーマンスを明らかにし,女子サッカー選手に適した評価基準作成の一助と実践的かつ効果的なトレーニング及びコーチングに役立つ知見を得ることを目的とした.分析対象は 7 試合,女子プロサッカーチーム所属の選手 12 名とした.POLAR team Pro を用い,心拍数,走行距離,走速度を計測し各速度帯での走行距離,スプリントを分析した.最高心拍数は 187.9±1.5 bpm,平均心拍数では 169.4±17.3 bpm を示した.また総走行距離の平均は 10.8±0.3 km で総スプリント回数では 18.1±4.7 回だった.
