バナナは,炭水化物の他,抗酸化作用のある成分を含み,運動時に適した生鮮果物と考えられている.本研究は,バナナ
の継続摂取が運動パフォーマンスや疲労に与える影響について検討するため,12 名の大学生アスリートを対象に,非摂取を対照としたランダム化単盲検クロスオーバー試験として実施した.2 週間のバナナ摂取期間を設け,摂取期間中は毎日 2本のバナナを摂取し,疲労に関するアンケートを実施した.摂取期間後に 5000 m 走タイムを記録し,その運動前後で尿・唾液検体の採取と疲労に関するアンケートを実施した.その結果,5000 m 走の記録に試行間の有意差はなかったが,摂取試行でのみ主観的な筋肉の疲労度は運動前後で有意に増加せず,酸化ストレス指標である尿中 8-OHdG は運動前後で有意に低下した.このことから,バナナの継続摂取は運動によって生じる筋疲労を軽減する可能性が示唆された.