本研究では, T score が導入された 2011 年から 2019 年の世界選手権の上位者, 全日本選手権メダリストの獲得点数の推移及び各 score の total score との関係を明らかにすることで今後の強化戦略の構築に資する資料を作成することを目的とした. 本研究から得られた結論は以下の通りである.
・2011 年〜2019 年世界選手権と全日本選手権の獲得点数の推移を比較することで, 日本男子の D score 強化の取り組みが有効であったこと, 日本女子の T score 強化の取り組みが D score の引き上げに繋がったことが示唆された.
・2019 年世界選手権予選第二自由演技の上位 30 名の Total score と各 score の関係を明らかにすることで, 男子 ではE score が強く影響を及ぼしていること, 女子は T score が強く影響を及ぼしていることが示された.
これらの結果から, 世界と日本のトップ選手の獲得点数の推移を比較し, 各 score のtotal score との関係を明らかにすることで, トランポリン競技に特化した今後の強化戦略構築の指針となり得る可能性が示された.