日本オリンピック委員会(JOC)の情報科学サポート部門では、JOC強化指定選手(n=1693)を対象に、COVID-19パンデミックの影響について調査した。37の競技連盟(夏季競技連盟31、冬季競技連盟6)から995件の回答(回答率58.8%)を得ることができた。本研究では、練習環境やトレーニングへの制限、情報経路・入手方法、トレーニングに関する情報の有用性について、調査結果を報告した。新型コロナウイルス感染症が選手のトレーニングに与えた影響は甚大で、全く練習に制限を受けなかったと回答した選手が夏季では 3.3%、冬季で 2.2%であった。多くの選手はさまざまな要因によりトレーニングへの制限を受けていたが、必要な情報を自ら収集し、活用することで工夫しながらトレーニングを継続していたことも明らかとなった。これらのことから、選手のニーズに合う適切かつ迅速な情報提供ときめ細かな対応が求められていることが分かった。