わが国におけるリレー・パフォーマンス強化策は、“Science and Art”であり、いまもなお継続されている。すなわち、科学者、指導者、実践者(選手)が協働し、リレー・パフォーマンス向上のための戦法(戦術・戦略)を “Thinking outside the box”で思考し25)、理論と実践の両面からバトンパスワークに改良を重ねるということである。そこで本研究では、エビデンスに基づいたバトンパスに関連する戦術・戦略の考え方とその具体的な取り組み(トレーニング・競技会での実践)を概説するとともに、今後の4×100mリレーの競技力向上ための示唆を提示した。