本研究ではイオン電極法を用いたコンパクト水質分析計(LAQUAtwin;株式会社堀場アドバンステクノ社製,京都)における汗中Ca濃度測定の妥当性を検討すること、さらにNaおよびK濃度の妥当性を再検証することを目的とした.汗サンプルは368名(男性301名,女性67名)のアスリートより採取した.アルセナゾⅢ法(Ca)およびイオン電極法(Na,K)を用いた精密機器(JCA-BM8060,日本電子株式会社製,東京)およびLAQUAtwinを用いてCa,Na,K濃度を分析した.LAQUAtwinは精密分析との間には高い関係性を示した([Ca,Na,K]: 級内相関係数=0.834,0.984,0.929; ピアソンの相関係数=0.834,0.984,0.929,P < 0.001).一方で,Bland-Altman分析において精密分析とLAQUAtwinの間に CaおよびKは固定誤差および比例誤差が、Naにおいては固定誤差が認められた.LAQUAtwinは測定の正確性が求められる研究に用いる際には注意が必要だが,フィールドにおいて汗中濃度を推定するためには有用な機器であるといえる.