本研究は、n-3系脂肪酸含有食品であるえごま油の6カ月間の摂取が、女子長距離選手の血中脂質の変化に及ぼす影響を検討することを目的とした。18名の選手を、非摂取群、えごま油9gおよび18g摂取群の3群に分け、体重測定、血液検査、食事調査を実施した。摂取群においては、9gまたは18gのえごま油を毎日摂取させた。その結果、18g摂取群におけるEPAは介入前と比較し、介入2カ月後に31.1%、6カ月後に33.8%増加し(p <0.05)、EPA/AA比は、4カ月後に44.4%増加した(p <0.05)。また、9g摂取群においても、EPAは介入前と比較し、介入4カ月後に45.8%増加した(p <0.05)。一方、体重、中性脂肪、LDLコレステロール値に変化は見られなかった。したがって、9g以上のえごま油の摂取は、EPAの摂取手段として有用であり、高用量の摂取はEPA/AA比をより高める可能性が示唆された。