スケルトン競技のオリンピック強化指定女子選手に対して,コンディショニング・コーチングを支援するスタッフから要請を受け,2012年から歯科学的サポートを開始した。口腔内診査,咬合状態の測定,静的重心動揺度の測定,VAS法を用いた市販マウスガードの使用感を評価した。歯科学的サポートに際し,選手が来院できる頻度や時間は非常に限られており,関係者間でチームを組むことによって,選手に接することが難しい時期でも,コンディションの変化や要望の推移,あるいは歯科に対する要望を共有し,対応することが可能であった。結果として,選手の要望に沿うカスタムメイドマウスガードの設計に繋がった。各専門家が個々に支援を行うよりも,各専門領域の知見や異なる視点からのアプローチを互いに共有することが,より質の高いサポート活動に繋がり,チームや一選手の望むサポート体系の構築に繋がることが確認された。