自律訓練法(AT)には標準練習(SE)をはじめ,自律性修正法,自律性黙想法,自律性中和法,自律性統合法が存在する。その中のSEが一般的には利用されているが,タイプA行動パターンや自信がない不全感の強い人など,SEになじみにくい対象者には自律性統合法の空間感覚練習(SP)を適用すると効果的であるといわれている。今までに継続的なATのSEとSPとの心理的効果や生理的効果の違いは検証されているが,本研究ではATの未経験者を対象とし,初回のSPに伴う主観的評価と心臓自律神経活動の時系列的変化に注目して検討することとした。