尺骨鈎状突起単独骨折の1例
第13回日本柔道整復接骨医学会
尺骨鈎状突起骨折は臨床上比較的稀な骨折である。骨折型の分類としてはRegan分類が有名で、typeⅠ〜Ⅲに分類される。今回我々が経験した症例はtypeⅡに相当するもので、その発生には肘関節包前方部の牽引力が関与したと考えられた。治療に関しては転位が軽度であったことと、本人の希望により保存療法を選択したが、関節拘縮が残存し経過は良好であるとはいえなかった。以上のことから尺骨鈎状突起骨折の治療では外科的固定と早期からの運動療法導入が重要である事が示唆された。
櫻井規子、樋口毅史、松田康宏、浅賀良子、佐浦宰、服部辰広、福島英夫
第13回日本柔道整復接骨医学会(抄録p.79)