橈骨遠位端部骨折は小児と高齢者に好発する骨折であるが、両側同時の発生は稀である。両側同時発生の橈骨遠位端部骨折はmotorcycle radialともよばれ、その名の通り自転車、バイクの転倒時に発生するとされている。今回経験した2症例の内、1例は自転車転倒によるもので典型的なmotorcycle radialと考えられた。もう1例は走行時の転倒によるもので、体が前方に大きく投げ出された結果、加速度が体に加わり自転車転倒時と同じような状況になったと考えられた。尚、2症例とも手掌をついているにもかかわらず屈曲型骨折となっていたが、これも一般的なmotorcycle radialの骨折型と一致していた。