足根管症候群は足関節内側部の足根管において、何らかの原因で脛骨神経が圧迫されて生じる絞扼性神経障害である。その発生原因には外傷、炎症、ガングリオン等の占拠病変、足部のマルアライメントなどが報告されている。また、稀ではあるが足根骨癒合症も足根管症候群の原因となり得るとする報告もある。今回我々は比較的稀とされている足根骨癒合症による足根管症候群の1例を経験した。本症例は外観上の変化から当初ガングリオンと判断されたが、その後の検査により癒合症である事が判明したもので、確定診断にはレントゲン検査が必須であり、医療機関と接骨院との連携の重要性を改めて認識させられた。