本研究は、プレイヤーの打球コース予測精度を高めるために有効な文脈情報として、2打のつながりを表す状態遷移確率の計測手法を提案する。また、提案手法によって求められた状態遷移確率はプレイヤーの配球パターンを示すものであり、それらにプレイヤー間に特徴的な違いが認められるかを検討する。分析対象とした試合は、ソフトテニス競技のシングルスにおいて、2名のプレイヤーが対戦した2試合である。その結果、2名のプレイヤーの状態遷移確率、すなわち、配球パターンに特徴的な違いが認められ、予測手がかりの文脈情報として状態遷移確率が有効であることが示された。