スポンサーシッププログラムと権利
ひすぽ(スポーツ史学会会報)、92号
本稿では、オリンピックにおけるスポンサーシッププログラムの功罪について考察した。1984年のロサンゼルス大会以降注目を集めるようになったオリンピックのスポンサーシッププログラムは、現在では資金面で大会にとってなくてはならない支えとなっている。しかし、巨額な資金を提供しているスポンサー企業の権利を守るため、スポンサー以外の企業による不正なマーケティング活動を監視する必要も生じている。その結果、「オリンピック」という言葉や五輪カラーに彩られた歓迎ムードが醸成されないという課題を指摘した。