台湾地方都市における女性救急隊員の現状－台湾彰化縣消防局視察報告－

第21回日本臨床救急医学会総会・学術集会

台湾地方都市における女性救急隊員の勤務状況について報告した。2017年12月、台湾彰化縣消防局を訪問し女性吏員2名（管理職及び現場隊員）にインタビューを実施した。彰化縣は台湾中西部に位置し、総面積約1074km2、人口約128万人の中核都市である。消防局職員662名のうち女性は78人（内勤41人、外勤37人）。救急隊は1隊2名編成（PA連携なし・女性2名での編成もあり）。勤務体制は48時間勤務の後に24時間休む「勤二休一」。定年は内勤60歳、外勤（現場職員）50歳。産休は40日間取得可能。女性吏員の採用試験や訓練は男性同様であり、救急隊降車時は他隊に乗務する。本邦と比較し長時間の勤務体制や少人数の部隊編成であったが、女性消防吏員の人数割合は高かった（11.8％）。訓練の継続、資器材のコンパクト化等により活動可能な環境を整えていると思われた。

中澤真弓　阪本奈美子