【背景】日本体育大学救急医療学科は2019年度から防災士資格所得可能な科目を開講した。【目的】救急救命士養成課程学生が防災士資格を取得することで生じた意識の変化を調査した。【対象と方法】防災士養成講座受講前後で受講学生にアンケート調査を実施した。質問の構成は、防災に関する7項目(①利他的動機②防災活動への参加③規範活性化要因④リスク認知要因⑤集団帰属要因⑥他者との関係要因⑦興味・関心)32問とした。【結果】防災士資格取得者34名中33名(男23女10)が回答。事前→事後の変化として、「一人ひとりが地域の防災活動に取り組む責任を負っていると思う(30→55%)」「自分自身が地域の防災活動に取り組むことによって、地域の安全を高めることができると思う(22→52%)」など規範活性化要因が向上した。「まちの人々と、喜びや苦難を共感することがある(18→21%)」「まちの人々と生活の浮き沈み等の苦楽を共にしていると思う(3→15%)」は低値で微増した。【考察・結語】救急救命士養成課程学生が防災士資格を取得することは地域防災を担う自覚を芽生えさせた。一方で地域社会との関わりの希薄さが課題であった。