バスケットボールチームにおけるメンバーのSMM共有度を測定するために、「バスケットボール版共有メンタルモデル尺度」(Questionnaire for shared mental models of basketball:以下QSMM-B)の作成を試み、大学バスケットボール部38チームに所属する選手453名から収集したデータをもとに探索的因子分析を行った結果、Cannon-Bowers et al.(1993)によるSMMの分類に準拠した4因子16 項目で構成されるQSMM-Bを開発した。尺度の信頼性と妥当性の検討を行った結果、Cronbachのa係数と再検査信頼性係数から尺度の信頼性を、研究者間および研究者-選手間による本尺度原案の質問項目に関する協議の結果から尺度の内容的妥当性を、QSMM-Bと関連する外部尺度との因子間の相関関係および競技レベルが異なるチームにおけるQSMM-Bの各因子得点の平均値の比較から尺度の基準関連妥当性をそれぞれ確認した結果、最終的に、QSMM-BはバスケットボールチームにおけるメンバーのSMM共有度を測定する適切な尺度であることを明らかにした。