2007年の「テクニカルスタディー2006」において島津らは、2006年の世界選手権大会を対象に、得点差とタイムアウトをした際のRフェイズがチームの中で強いレセプション群となっていたか、あるいは弱いレセプション群となっていたかを調査し、タイムアウトの特徴を報告した。また南らは、2006年度国立スポーツセンター委託研究として、ゲームの流れと戦術支援に関する報告をした。この戦術支援の報告後、再構築をして「VB080808支援システム」を作成した。再構築をした「VB080808支援システム」を用いて、オリンピック最終予選の男子の日本対イタリア戦と日本対アルゼンチン戦、女子の日本対ポーランド戦のなかで、ジュースとなった時点で、どの程度、該当のセットの勝敗が予測できるかを探ってみることを試みた。ジュースとなった際に、該当セットが終了するのは、主に、サービス得点確率の高いRフェイズで勝ちセットとなり、レセプション得点確率の低いRフェイズで負けセットとなると予測するものである。ジュースとなったら、なかには例外もみられるが、その後のローテーションは一巡あるかないかである。サービス得点確率の高いRフェイズをチャンス、レセプション得点確率の低いRフェイズをピンチとして表示した。チャンスと予測したRフェイズでセットが終了、または、レセプション得点確率の低いRフェイズでセットが終了すれば、本システムの活用は非常に有効と言える。「チャンス」および「ピンチ」は、男女の日本チームからみたものである。また、「チャンス」および「ピンチ」のRフェイズは、単数の場合と複数の場合があることが明らかとなった。