本研究の目的は、反動あり・反動なしのジャンプ中における筋-腱複合体(MTC)の動態について明らかにすることであった。動作は立位から反動ありの垂直跳び(CMJ)、CMJの重心最下点からのスクワットジャンプ(SJcmj)、20cmの高さの台からのドロップジャンプ(DJ)、DJの重心最下点からのスクワットジャンプ(SJdj)の4種であった。超音波装置を用いて、動作中の腓腹筋内側頭の動態を記録し、後に筋束長を計測した。フォースプレートにより床反力を記録し、運動力学逆行法により足関節トルクを算出、さらにアキレス腱張力、筋張力を算出した。反動ありの最初のMTCが伸張される相では、筋は実際には伸張されておらず、MTCの伸張は腱の伸張により引き起こされていた。反動を用いた動作では筋は比較的遅く短縮でき、力-速度関係の力発揮に有利なところで活動でき、腱が素早く短縮することにより、パワーの増加を図っているようである。