競技スポーツにおける情報・戦略に関する研究：バレーボールのゲーム分析

日本体育大学体育研究所雑誌第31巻第1号

現代の勝敗を競うことを目的とした競技スポーツにおいて、「情報戦略」は最も重要なキーワードであると言っても過言ではない。バレーボールにおいても“情報”や“データ”は重要視されており、もはやトップレベルから一般のクラブチームまで様々な形でデータを利用している。一口にデータと言っても多くの戦略的なデータが考えられる。ゲームの勝敗を直接的に左右する可能性がある「ゲーム分析データ」について報告した。
　私が考えるゲーム分析のコンセプト（基本概念）としては、まず、「己の本来のプレーを発揮する」ことがベースとなり、その先に「相手の戦術分析」からなる対応能力が日々の練習及び試合の中でトレーニングされるべきであると考える。更に、チームにとって最も大切なことは、選手及びスタッフの目標が一致しており、その目標を達成するための意思統一が出来ていることが重要である。そして、その目標達成のために集結した機能的な集団を作り上げることが重要であると考える。チームゲームにおけるゲーム分析の注意点について報告している。

伊藤雅充・西山哲成・林忠雄・具志堅幸司・畠田好章・根本研・岩原文彦

ｐ.79～ｐ.80