学校における住民参加が、日々教育に携わる教師の専門性をどのように向上させることができるのかという視点から、学校運営協議会などにおける一般市民の学校参加の在り方について理論的に研究を行っている。
学校教育の場で児童・生徒を教育することは、極めて高度な技能と知識を必要とする専門職の領域だが、民主主義社会における学校教育は、教育を職業とする者の意思によって行われるべきではなく、「一般公衆、素人市民の教育意志」を十分に反映させたものでなければならないことはいうまでもない。私の興味関心は、「公教育において誰が何をどのように教えるか」という意思決定をめぐり、一般市民の要望の反映と、教師の専門職としての自律性の尊重という対立する契機をいかに解消するかという「民主主義社会における教育の正統性」の問題を読み解くことである。