「学校運営協議会の意思決定の正統性に関する一考察」
駒沢女子大学研究紀要
一般市民の学校参加システムが必然的に一部の市民を排除する機能を持たざるを得ないということを前提にしつつも、それでも一般市民の学校参加が学校の意思決定プロセスにおいて正統性を持ちうるのかという問題を、ニュータウン地区に位置するM中学校区の学校運営協議会の設立当初の取り組みから検討した。同運営協議会は,意思決定の正統性原理として熟議民主主義の手法を取り入れたが、むしろ対話の過程を重視する熟議そのものが抱える限界によって正統性を失うといった熟議のジレンマを抱えてしまった。
p.261~p.271