本論文では、超音波断層法を用いて筋活動中の筋-腱複合体の形状変化を評価した。
本論文は次に示す5章から構成されている。
1)緒論
2)ヒト骨格筋等尺性収縮中の筋束の非等尺性動態
3)Bモード超音波法を用いたヒト生体でのモーメントアーム算出
4)ヒト前脛骨筋の長さ-力関係と固有筋力
5)総括論議
ヒト身体運動中の筋-腱複合体の振る舞いについては、関節トルクや角度を入力パラメータとしたモデルを用いて議論されることが多かった。超音波断層法を用いると、様々な運動中の筋束の長さ変化や羽状角の変化等が定量化可能で、また、筋-腱複合体の持つ様々な形状的特性が求められた。今後、超音波断層法とモデルを組み合わせた研究が、ヒト身体運動のメカニズム解明に大きく貢献すると考えられる。