高校球児が求める指導者像.

野球科学研究, 2, 30-45.

指導者と選手の関係は，選手の心理面やパフォーマンスなど様々な面に影響を及ぼすため，良好な関係の構築が効果的なコーチングを行う上で必要不可欠である．そのためには，指導者が選手の視点に立ち，選手が指導者に対して何を求めているのかを知ることが必要である．本研究では，高校球児が抱く1）教わりたい指導者像，2）教わりたくない指導者像，それぞれの要素を明らかにすることを目的とした．調査は，S県の高校球児を対象にオンラインアンケートを実施し，241名から有効回答を得た．1）では16のカテゴリと44のサブカテゴリ，2）では16のカテゴリと40のサブカテゴリが出現した．それらのカテゴリから高校球児は，確かな指導力を有しながらも選手の主体的な活動を支援し，明るさや愛情を持って選手と接し，親密な関係を築く指導者に教わりたいと思う傾向があり，インティグリティに欠けた指導者に教わりたくないと思う傾向があると考えられる．

直井勇人, 渡邊裕也, 伊藤香菜子, 加瀬弘樹, & 伊藤雅充.

共同研究につき本人担当部分抽出不可能