本研究では、超音波断層法を用いて、前脛骨筋の長さ-力関係を求め、関節でのトルク-関節角度関係と比較した。足背屈トルクは、足関節角度100度で最大であった。モーメントアームは足関節角度90度で最大であった。足背屈トルクとモーメントアームから腱張力を算出したが、トルクは関節角度100度で最大であったのに対し、腱張力の最大は足関節角度120度であらわれた。筋力は筋束長76.3±7.4mmで最高値をとった。腱張力が最大となるところでの等尺性ストレス(固有筋力)は33.1±5.9N/cm2であった。トルク-関節角度関係は筋力-筋束長関係を直接反映したものではなく、筋-腱複合体形状の影響をかなり受けている。特に、モーメントアームの影響が大きいと考えられた。