大筋群と局所筋の複合運動時に局所筋の筋酸素動態が大筋群の運動強度によって変化するかどうかを明らかにすることを目的とした。被験者には40%MVCでの30秒間の動的掌握運動(handgrip)、40%VO2maxでの180秒間の自転車運動とそれらの複合運動(combine)を行わせた(40%stage)。また、動的掌握運動の強度はそのままで、自転車運動の強度を60%VO2maxに変えて同様なことを行わせた(60%stage)。その際に近赤外線分光装置を使用し、静脈血流遮断法を用いて前腕屈筋群酸素動態を評価した。40%、60%群との間で、前腕屈筋群酸素消費指数は、欠く運動とも同様な傾向がみられた。しかし、前腕屈筋群酸素供給指数では、40%stageのhandgripとcombineは、handgripより低値になる傾向がみられた。このことから中等度以上での自転車運動は前腕屈筋群への酸素供給を抑制する可能性が示唆された。