本研究では、固有筋力(SPT)を算出するのに必要な筋形状パラメータ(筋束長、羽状角、筋体積、モーメントアーム)をヒト生体で、超音波断層法と核磁気共鳴画像法を用いて測定し、前脛骨筋のSPTを算出した。SPTの平均値は33.1N/cm2で、範囲は23.6~39.4 N/cm2であった。また本研究では、先行研究のデータを使って算出したSPTと本研究で値の比較をした。本研究の安静時の筋束長と羽状角を用いて算出したSPTは40.0 N/cm2であった。筋形状に関してはWickiewiczら(1983)のデータを、モーメントアームのデータに関してはMaganarisら(1999)のデータを用いてSPTを算出した。用いたデータによって、得られたSPTには大きな変動がみられた。本研究のSPTは多くの変数を被験者個人内で測定しており、信頼できる値であると考えられる。