これまで自転車駆動で被験者の姿勢、サドルの高さ、ペダル回転数、クランク長がパワーや酸素摂取量などに及ぼす影響について研究されている。しかし、上肢クランキング運動では下肢用の自転車エルゴメーターをペダルだけ上肢用に改良しクランキングさせたものが多く、これらについて詳細に検討されたものはほとんどない。そこで本研究では、上肢クランキング運動での最適なクランク長を決定することを目的として、クランク長を自由に調節できるように改良した上肢エルゴメーターで、全力上肢クランキング運動を行わせた。クランク長の違いがピークパワーや平均パワーにどのような影響を及ぼすか、その時に参加する筋群や生理的応答の変化を筋電図、MRI、酸素摂取量などを測定し検討した。