本研究では運動時の単一筋内における筋の動員様相について検討した。これを明らかにするためにエコープラナーイメージング法を用いて、運動中6秒ごとにMR画像を撮影した。被験者は成人男性6名であった。MR装置内で随意最大足背屈力の30、60%の強度でそれぞれ頻度:1回/3秒、1回/6秒、運動時間:3分、1.5分の足背屈運動を行わせた。足背屈運動の主動筋となる前脛骨筋を筋の中にある腱膜を境に表層部と深層部に分け、それぞれ安静時からのシグナル強度の変化を算出した。2つの運動強度ともに表層部と深層部間のシグナル強度の有意な違いは観察されなかった。これは表層部及び深層部ともに筋の動員が同様に行われていることを示唆している。一方表層部と深層部は単一筋内においても、部位によって非均一的に筋が動員されている可能性が示唆された。