「羅生門」‐鬼伝説と境界性
国文学解釈と鑑賞、別冊:芥川龍之介 旅とふるさと、pp.236-239
芥川「羅生門」について文芸地誌的側面を加味して論究した。平安期以来の鬼伝説との関連、および越境というテーマと絡んでの境界性の問題は、かねてより同作に関する主要論点となっている。本論文では、羅生門を「鬼と出会う場」から「鬼と化す場」へ転換させた点に同作の独創を認め、如上の二つの論点の接合を試みた。
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