芥川童話の二類型
長岡工業高等専門学校研究紀要、第35巻第1巻、pp.37-42
芥川童話の類型的特質について考究を加えた。一連の芥川童話は、主人公の在り方に質的変貌が確認される作品群と、それが確認できない作品群とに類別できる。先行研究において高い評価が与えられてきたのは、概ね前者の作品群である。前者の作品系列においては、主人公の質的変貌に伴って生じる力動性が確認され、それが作品評価に如実に反映していると考えられる。
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