「魚と公園」論(下)
室生犀星研究 第16輯、pp.82-91
犀星「魚と公園」は、従来の論究も少なく、情緒的・詩的な短編という位置付けがせいぜいであった。しかし、〈魚〉は犀星文芸における枢要な文芸的イメージであり、その意味で同作の持つ意義は大きい。本論文では、初期抒情詩における〈魚〉の形象と、当該作におけるそれとの異同・変容を確認し、詩から小説へと移行する犀星文芸の展開に関する素描を試みた。
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