「羅生門」論‐生を希求するかたち‐ (査読付)
二松学舎大学大学院紀要二松、第5集、pp.239-263
芥川「羅生門」を主人公の行動原理の変質に伴う変身の物語として分析した作品論。行動原理の変質によって主人公の在り方が死から生の領域へ移行するという軸線で作品構造を把握した。その結果、如上の作品構造が、死のモチーフに単一化して形成された「羅生門」以前の習作群との際立った相違として理解され、そこに同作の文学的達成を確認した。さらに、それが芥川の作家的誕生の質と重なってる点について併せて論究した。
25ページ(pp.239-263)