芥川龍之介研究-初期習作群から「羅生門」への過程
修士論文(授与機関:二松学舎大学)
芥川文学の始発段階における文学的基層と芥川文学成立の様相とを闡明する試みである。まず、芥川の初期習作群の分析を通して、そこに見られる〈拠所不明意識〉と〈死によって空虚化される生の認識〉との二つの主題系を析出した。そして、芥川文学の第一の達成である「羅生門」が、かかる二つの主題系列の継承と超克とによってもたらされたものであることを考究し、初期芥川文学の生成の特質を究明した。
【修士論文】400字詰原稿用紙203枚