芥川龍之介「歯車」論
日本近代文学会新潟支部例会
芥川晩年の小説「歯車」の文芸構造を闡明しようとしたもの。一~五章と六章との性格の違いを軸に、恐怖小説的結構を確認しよううとした。また、主人公「私」の在り方を「狂気」「精神的変調」として捕捉しようとすること、すなわち解釈しようとすることによって、恐怖の実感が失われてしまうという問題について論じた。