「魚と公園」論
室生犀星学会秋季大会
犀星「魚と公園」の作品構造を闡明し、同作を初期犀星文芸の展開相の中に位置付けた。従来、ストーリー性の弱い作品とされてきたが、〈魚〉の比喩機能を分析し、作品に伏在する周到な首尾結構を明らかにした。また、小説作品における〈魚〉と初期抒情詩におけるそれとの差異を確認し、初期犀星における詩と小説との関連についての私見を示した。