その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 津山 薫
氏名(カナ) ツヤマ カオル
氏名(英語) TSUYAMA Kaoru

翻訳書、学会発表、講演等の名称

小学3年生におけるジグザグドリブルと新体力テストの男女比較

その他分類

国内学会発表

単・共の別

発行または発表の年月

2019/03/09

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

日本発育発達学会第17回大会

概要

【目的】
小学生の体力をみると数年前から回復の兆しがみられているものの、投能力は依然として低く、操作系能力が十分でない傾向を示している。
そこで本研究では、手と脚の協応動作を伴うジグザグドリブルと新体力テストの関係を検討し、子どもの体力向上につなげることを目的とした。

【方法】
対象はY市公立小学校3年生児童167人(男子:79人、女子:88人)とした。測定項目は身長、体重、ジグザグドリブル、新体力テスト8項目(握力、上体おこし、長座体前屈、反復横とび、20mシャトルラン、50m走、立ち幅とび、ソフトボール投げ)とした。ジグザグドリブルの測定は新・日本人の体力標準値Ⅱの測定方法に準じて実施した。新体力テストの分析は体力テスト総合点に基づき体力レベルを評価A~Eに区分しおこなった。なお評価Eの児童は少数であったため、評価DとEの児童を合算し体力レベルを4群に分けて分析した(評価A、B、C、D+E)。

【結果および考察】
 ジグザグドリブルと体力テスト総合点を男女で比較した結果、体力総合点では男女間に有意差はみられなかったが、ジグザグドリブルでは男子の平均値は女子よりも11秒速い値を示し、両者の間に有意差が認められた(男子:29.8±10.8秒、女子:40.8±12.0秒)。
さらに児童の体力レベルを4つに分けてジグザグドリブルの値を比較した結果、男子では体力評価の違いによりジグザグドリブルの値に有意差が認められた。しかし女子では男子よりも体力評価の違いにより大きな差はみられず、評価Aと評価D+Eの間に有意差は認められなかった。したがって女子では、体力が高い児童の中にも、操作系能力の不十分な児童が男子よりも多いことが示唆された。
加えてボール投げとジグザグドリブルの関係をみると、男子では両者の間に有意な負の相関関係が認められたが、女子ではみられなかった(男子:r=-0.525, p<0.05, n=79  女子:r=-0.214, N.S., n=88)。これらより女子では投動作とジグザグドリブルのスキルが相関しておらず、操作系スキルの獲得が男子よりも不十分であることが示唆された。

【結論】
小学3年生では、特に男子よりも女子で操作系能力の獲得が不十分であることが示唆され、幼児期から学童期にかけてボール遊び等を積極的に取り入れ、基本的動作を十分に身につける必要があると思われた。

共著者等

津山 薫、鈴木一歩

掲載ページ数

p.93