その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 津山 薫
氏名(カナ) ツヤマ カオル
氏名(英語) TSUYAMA Kaoru

翻訳書、学会発表、講演等の名称

小学校の体育専科教員の導入および体育カリキュラム変更が児童の体力に及ぼす効果

その他分類

国内学会発表

単・共の別

発行または発表の年月

2017/06/18

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

日本運動・スポーツ科学学会第24回大会

概要

【目的】日本の小学校では体育専科教員がほとんどいないのが現状である。そこで本研究の目的は小学校の体育専科教員の導入および体育カリキュラム変更が児童の体力に及ぼす効果について検討することである。 
【方法】対象は横浜市の私立M小学校(M小)2014年度2年生(対照群:男n=23、女n=19)と2015年度2年生(変更群:男n=20、女n=26)をそれぞれ1年間調査した。測定項目は身長、体重、足指筋力、握力、反復横とび、ソフトボール投げ、50m走、上体起こし、20mシャトルラン、立ち幅とびとした。変更群は2015年度2年生に1年間、新しく体育カリキュラムを体育専科教員と筆者が作成し、実施した(週3時間を担任1時間、体育専科教員2時間で体育授業を分担し担当)。新しい体育カリキュラムは、担任が児童の様子や発達状態を観察できるよう「体ほぐし」や「運動遊び」を教え、体育専科教員が「鉄棒」や「跳び箱」などの専門的な動きを教えるよう改善した。一方、対照群は2014年度2年生に1年間、従来の体育カリキュラムの内容で実施した(担任も体育専科教員も週3時間中1〜2時間で担当)。従来の体育カリキュラムは体育専科でない担任教員が、児童に課題を提示し、児童自らが目標を設定して行う事を意図して作成したものである。
【結果】2年時では、対照群と変更群では全ての測定項目に有意差は認められなかった。しかし3年時では、変更群の方が対照群より体力がより向上しており、特に20mシャトルラン(男子:対照群23.5±13.4cm、変更群37.9±15.8cm、女子:対照群21.7±10.1cm、変更群37.7±14.7cm)、足指筋力(男子:対照群5.0±1.7cm、変更群8.9±3.0cm、女子:対照群5.7±2.4cm、変更群8.9±1.8cm)、立ち幅とび(男子:対照群119.4±22.4cm、変更群137.6±19.2cm)で有意な増加が見られた。
【まとめ】児童の体力を向上させるためには、体育専科教員の導入と児童の年齢に適した効果的な体育カリキュラムの作成が必要であることが示唆された。

共著者等

〇浮田咲子、尾木征夫、津山 薫

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