【背景】スケート運動は膝関節と股関節の屈曲・伸展を繰り返しながら滑走していく
ため、膝関節や股関節周囲筋群の強化は非常に重要である。これまでにもスケート選
手の競技力と下肢筋力に関する研究は報告されているが、必ずしも十分ではない。【
目的】本研究は大学スケート選手を対象に等速性筋力(膝関節、股関節)を測定し、
選手で比較・検討し、競技力向上につなげることである。【方法】対象はN大学女子
スピードスケート(SS)選手7名、アイスホッケー(IH)選手13名、インラインホッ
ケー(IL)選手19名とした。測定項目は身長、体重、等速性筋力(膝関節、股関節、
60,180,300deg/sec)とした。等速性筋力の測定はBIODEX SYSTEM3(酒井医療機器社
製)を用いた。【結果】膝関節伸展筋力ではいずれの角速度でも有意差は認められな
かったが、膝関節屈曲筋力ではSS群はIL群よりも60,180deg/secで有意に高い値を示
した。股関節伸展筋力ではすべての角速度でSS群はIL群よりも有意に高く、さらにIH
群はIL群よりも180,300deg/secで有意に高かった。股関節屈曲筋力ではSS群はIL群よ
りも300deg/secで有意に高く、IH群はIL群よりも300deg/secで有意に高い値を示した
。【結論】SS群の等速性筋力(膝関節および股関節)はIH群やIL群に比べて高い傾向
がみられ、屈曲筋力(膝関節および股関節)で他の種目選手よりも優れていることが
示された。