小学生におけるラダー運動の成就度の実態 --横浜市の小学校を対象として--
〇津山 薫(日体大)、千葉裕太(日体大)、馬場進一郎(日体大)
子どもの体力、敏捷性、ラダー運動
本研究では小学生のラダー運動の成就度の実態を中心に調査・検討し、子どもの体力向上につなげることを目的とした。
対象は横浜市立E小学校の1年生(男子:54人、女子:41人)、3年生(男子:44人、女子:39人)、5年生(男子:61人、女子:49人)とした。測定項目は身長、体重、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、20mシャトルラン、50m走、立ち幅とび、ボール投げ、ラダー運動(直進、サイドステップ、グーパージャンプ)とした。ラダー運動では、各課題を最初から最後まで正確にできた児童の割合(成就度)を調査した。なお測定前には各課題の十分な説明と2回ずつの練習を実施した。
ラダー運動(グーパージャンプ)の成就度をみると、1年生(男子:40.7%、女子:41.5%)、3年生(男子:40.9%、女子:61.5%)、5年生(男子:60.7%、女子:65.3%)であった。さらに1~5年生の間の反復横とびの増加率をみると、平成25年度の文科省のスポーツテストでは156.9%であったが、E小では127.2%であった。
以上より全国でも体力レベルの低い神奈川県(横浜市立E小学校)の児童のラダー運動の実態が示され、E小の児童では敏捷性の発達が十分でないことが示唆された。