本研究の目的は児童の運動習慣と等尺性膝伸展筋力(膝伸展筋力)との関係を検討し、子どもの体力向上につなげることである。
対象は2006~2011年の間に測定に参加した公立T小学校の3年生とした(男子:313人、女子:300人)。測定項目は身長、体重、膝伸展筋力とした。膝伸展筋力の測定は脚伸展筋力測定台(竹井機器社製)を用いて実施した。さらに運動習慣に関するアンケート調査を実施し、膝伸展筋力と運動習慣との関係を分析した。
結果をみると、「外で遊ぶことが多い」群は「家の中で遊ぶことが多い」群よりも男女ともに膝伸展筋力/体重が高い傾向を示し、特に男子では両者の間に有意差が認められた。
さらに学校外での運動の実施頻度と膝伸展筋力との関係をみると、男女ともに「3回以上/週」群の膝伸展筋力/体重は「1~2回/週」群および「まったくしない」群よりも有意に大きかった。
以上より、外で遊ぶことが多く、学校外での運動実施頻度の多い児童の膝伸展筋力は高いことが示された。したがって、身体を積極的に動かす機会を多くし、学童期に運動習慣をしっかりと確立することが子どもの体力を向上させる上で重要であると思われた。