その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 津山 薫
氏名(カナ) ツヤマ カオル
氏名(英語) TSUYAMA Kaoru

翻訳書、学会発表、講演等の名称

体操教室に定期的に通う児童の体力の特性

その他分類

国内学会発表

単・共の別

発行または発表の年月

2007/03/17

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

日本発育発達学会第5回大会(東京・大妻女子大学)( 2007/03/17-18)

概要

【目的】近年、子どもの生活習慣の変化や外遊びの減少などにより子どもの体力が低下傾向にあることがしばしば指摘されている。しかしながら、子どもの体力向上のための運動プログラムに関する研究は必ずしも十分になされていないのが現状である。そこで本研究では、運動プログラムを開発するための資料を得るために、体操教室に定期的に通う児童と公立T小学校の児童の体力を測定・比較し、体操が児童の体力に及ぼす影響について検討することを目的とした。
【方法】対象は体操教室(横浜市)に週に1~2回の頻度で定期的に通う児童68名(女子:8~12歳)と公立T小学校(横浜市)の児童88名(女子:8~12歳)である。測定項目は身長、体重、等尺性膝伸展筋力、握力、ファンクショナルリーチ、長座体前屈、筋厚、脂肪厚とした。等尺性膝伸展筋力の測定は膝伸展筋力測定装置(竹井機器社製)を用いておこなった。筋厚と脂肪厚の測定は超音波画像診断装置SSD-900(ALOKA社製)により腹部の超音波画像を撮影し、その画像から筋厚と脂肪厚を求めた。
【結果および考察】ファンクショナルリーチを比較した結果をみると、体操教室の児童はT小学校の児童に比べて大きい傾向を示し、8、9、12歳で有意差が認められた。さらに長座体前屈でも、体操教室の児童はT小学校よりも8歳を除いていずれも有意に大きい値を示した。これらは体操教室で平衡感覚や柔軟性を強化するための運動を多く実施しているため、動的バランスを評価するファンクショナルリーチや柔軟性を示す長座体前屈の値が体操教室の児童で大きかったものと考えられた。握力を比較した結果をみると、8、10、12歳で両者の間に有意差がみられ、体操教室の児童はT小学校の児童に比べて有意に大きかった。今回、対象とした体操教室では手具を用いた体操を多く取り入れ実施しているため、体操教室の児童の握力はT小学校の児童よりも大きい値を示したものと思われた。さらに膝伸展筋力/体重を比較したが、10才で両者の間に有意差が認められたものの、その他の年齢では有意差はいずれもみられなかった。また、腹部の筋厚および脂肪厚を比較したが、それぞれ両者の間に有意差はいずれも認められなかった。これらの点は今後、被験者数を増やしさらに検討したい。
【結論】体操を定期的におこなっている児童は動的バランスを評価するファンクショナルリーチや柔軟性を示す長座体前屈、さらに握力で大きい傾向を示した。これらより、児童期に体操を実施し身体を動かすことは児童の体力向上に効果的であることが示唆された。

共著者等

津山薫、南明恵美、金相勲、松阪裕美、清田寛

掲載ページ数

P64