【目的】
本研究の目的は操作系スキル(ジグザグドリブル、ボール投げ)の男女差を外遊びの観点から比較・検討し、児童の健康増進につなげることである。
【方法】
対象はY市公立小学校(2校)の3年生男子164人、女子167人とした。測定項目は身長、体重、ジグザグドリブル、ボール投げとした。さらに「外遊びの好き・嫌い」や「外遊びの頻度」をアンケート調査し、調査結果に基づき操作系スキルを比較した。
【結果】
操作系スキルでは男女間に有意差が認められ、男子のジグザグドリブルは女子よりも24.5%速く、男子のボール投げは女子よりも86.6%優れていた。さらに「外遊びが室内遊びより多い」と回答した男子は42.7%、女子は29.9%であり、男子は女子よりも外で遊ぶ児童が12.8%多かった。加えて男子の27.4%は「外遊びが好き」と回答したが、女子では12.6%であり、男子では外遊びの好きな児童が女子よりも14.8%多かった。「外遊びが好き」と回答した男子のジグザグドリブルおよびボール投げは「外遊びが嫌い」と回答した男子よりも有意に優れていたが、女子ではいずれも両者の間に有意差は認められなかった。
【結論】
女子は男子よりも外遊びが少ないだけでなく、外遊びの中でボールを使った遊びが不足していることが示唆された。したがって特に女子では、ボール遊びを積極的に遊びの中に取り入れ、神経系の発達を促すことが児童の健康増進にとって重要であると思われた。