目的】本研究の目的はサッカー選手とアーチェリー選手の等速性筋力と筋断面積を測定・比較し、競技特性を明らかにすることである。【方法】対象はN 大学の男子サッカー選手15名(競技歴:12.3±1.3年)と男子アーチェリー選手9名(競技歴:5.3±1.7年)である。等速性筋力の測定(膝伸展、膝屈曲、股関節伸展、股関節屈曲)はCybex6000を用いておこなった(30, 120, 240deg/sec.)。さらにMRIにより腰部の横断像を撮影し大腰筋の筋断面積を算出した。【結果】体重あたりの膝伸展筋力、膝屈曲筋力、股関節伸展筋力を比較した結果、両者の間に有意な差はいずれもみられなかったが、股関節屈曲筋力ではサッカー選手はアーチェリー選手よりもいずれの角速度においても有意に大きい値を示した(12.0~18.5%)。さらに股関節屈曲の主動筋である大腰筋の筋断面積をみても、サッカー選手はアーチェリー選手に比べて有意に大きかった。【結論】サッカー選手とアーチェリー選手の筋力の差は、とくに股関節屈曲筋力で大きいことがわかった。