【背景】国内フィンスイミング選手に関する研究は十分になされていない。【目的】本研究の目的はフィンスイミング選手の筋量と競技力との関係を検討し、フィンスイミング選手の競技力向上につなげることである【方法】対象者は2021年度フィンスイミング日本選手権に出場した男子大学生13名(年齢:20.5±1.2歳、競技歴:2.3±1.5年)であった。測定項目は身長、体重、50mのタイム(クロール:C、BiFin:BF、MonoFin:MF)、筋量とした。筋量はInbody400を用いて、上肢、下肢、体幹の筋量を測定した。【結果・考察】上肢筋量とタイム(C、BF、MF)との関係をみると、CおよびBFでは筋量とタイムとの間に有意な相関関係が認められたが、MFではみられなかった。さらに体幹および下肢においても筋量とタイムとの関係を分析した結果、MFを除いたCおよびBFでは筋量とタイムとの間に有意な相関関係が認められた(体幹 C:r=-0.560, BF: r=-0.684, MF: r=-0.264、 下肢 C:r=-0.559, BF: r=-0.623, MF: r=-0.147)。これらよりMFではCおよびBFに比べて技術的要素が不十分な選手が多く、筋量と競技力との間に有意な相関関係がみられなかったものと考えられた。【結論】フィンスイミング選手の競技力を高めるためには筋力トレーニングを十分に行い筋力や筋量を高めるだけでなく、特にMFの選手では技術練習を十分に行い、より高いスキルを習得することが競技力を高める上で重要であると思われた。