本研究ではN大学レスリング選手(18名)、柔道選手(37名)、アメリカンフットボール選手(以下アメフト選手)(41名)の等尺性頚部伸展筋力(以下、伸展筋力)を中心に測定しスポーツ種目により比較・検討することを目的とした。伸展筋力はサービカルエクステンションマシーン(Medx社製)により8つの頚椎の屈曲・伸展角度(126°、108°、90°、72°、54°、36°、18°、0°)で測定した。その結果、レスリング選手の伸展筋力はすべての角度で柔道選手およびアメフト選手よりも有意に大きく、約20~80%大きい値を示した、。また柔道選手およびアメフト選手では最大屈曲位で伸展筋力が最も大きく頚部が伸展するにつれて伸展筋力は小さくなる傾向を示したがレスリング選手では中間位から伸展位にかけて伸展筋力が低下せず、むしろ増加する傾向がみられた。このように頚部の伸展筋力においてもスポーツ種目により差がみられ、特にレスリングの競技特性が示された。