その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 金 善淑
氏名(カナ) キム ソンスク
氏名(英語) KIM Sunsuk

翻訳書、学会発表、講演等の名称

女性アスリートにおける月経周期の違いと骨密度との関連性

その他分類

国内学会発表

単・共の別

発行または発表の年月

2018/06

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

日本運動・スポーツ科学学会第25回大会(広島)

概要

【背景&目的】1997年にACSMで発表された「女性アスリートの三主徴=Female Athlete Triad (FAT)」 には、「摂食障害、無月経、骨粗鬆症」が三主徴として挙げられている。一方、日本産婦人科学会は、無月経とは90日以上月経がない状態を定義している(無月経:初経発来がない原発性無月経と初経を経験した後に視床下部−下垂体系の異常により無月経となる続発性無月経)。続発性無月経のうち運動が原因となるものを運動性無月経と言い、女性アスリートの健康管理上重要な問題であり、その重症化や難治性が懸念されている。しかし、疲労骨折を発症した女性アスリートに続発性無月経などの月経異常が高率に認められることが知られているものの、明確に月経周期を調査しその周期の違いによる骨密度との関連性を明らかにした報告は殆ど見当たらない。そこで本研究では、体育大学の女性アスリートを対象に月経周期の違いと骨密度との関連性について検討した。
【方法】体育大学に所属する8競技種目(陸上長距離、新体操、ダンス、柔道、バドミントン、テニス、ソフトテニス、ハンドボール)において平均9年前後の競技歴を有する100人の女性アスリートを対象に6ヵ月以上にわたり月経周期を中心にモニタリングを実施した。その結果から月経周期が最も長い期間を採用した周期を最長月経周期とし、もう一方を平均月経周期とした。なお、それぞれの周期を3群(月経周期90以上群、39日以上90日未満群、39日未満群)に分類し、骨密度(以下BMD、DXA法;全身・腰椎L2-4・大腿骨頸部)との関連性について検討した。【結果】平均月経周期及び最長月経周期のいずれも90以上群は39日未満群に比べて骨密度(全身・腰椎)が有意な低値を示し、全対象者について平均月経周期とBMD及び最長月経周期とBMDとの間にいずれも有意な負の相関関係が認められた。【結論】月経周期の長期化は、女性アスリートにおける骨疾患のリスクを高める可能性が示唆された。

共著者等

黄仁官、小林哲郎、金善淑、別府健至、久保山和彦

掲載ページ数