本研究の目的は、大学男子レスリング競技者における頸椎椎間板変性と身体特性の関連性を明らかにすることであった。フリースタイル(フリー)、グレコローマンスタイル(グレコ)ごとに変性有群、変性無群に分類し、整形外科的メディカルチェックと頸部筋力測定を実施した。その結果、フリーでは、頸椎伸展角度において変性有群が変性無群に比べ有意に大きく(P<0.05)、屈曲筋力で変性有群が変性無群に比べ有意に低値を示した(P<0.05)。グレコでは、右側屈筋力(P<0.01)、左側屈筋力と伸展筋力(P<0.05)において変性有群が変性無群に比べ有意に低値を示したことから、これらが大学レスリング競技者における頸椎椎間板変性保有の間に何らかの関係がある可能性が示唆された。