生体の基底膜はおもにⅣ型コラーゲンとラミニンからなり、この両者それぞれの網目が重なりあうことでポア数10nmの網目である基底膜骨格構造ができると考えられている。しかし、前報においてⅣ型コラーゲンのみであっても基底膜と同様の網目構造が作られることが示唆された。ここでは牛レンズカプセル由来Ⅳ型コラーゲン、ヒト胎盤由来Ⅳ型コラーゲンのそれぞれの生理条件下での再会合体およびマウス膵臓の3者の微細形態を比較した。その結果3者ともに分岐間の距離が数
10nmの網目構造であった。以上の結果はⅣ型コラーゲンのみであっても基底膜骨格構造を形成できることを示唆している。